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          ご先祖様に感謝

曹洞宗・大応寺副・松原正浩


 今週はご先祖様についてお話したいと思います。

 みなさんはご先祖様と聞いて誰を思い浮かべますか。

 たいていの人は亡くなられた人を思い浮かべると思います。

 では、あなたが生まれるまでにどれだけのご先祖様がいらっしゃると思いますか。

 あなたが生まれるためには必ず二人の親がいるはずです。

 さらにその両親にもそれぞれに両親がいるはずです。

 そうやってあなたから5代さかのぼってみましょう。

 それぞれの兄弟は数えずに、両親だけでいったい何人のご先祖様がいらっしゃるでしょうか。

 答えは32人です。

 「なんだ、たったそれだけ」と思われるかもしれませんが、それこそたった5代さかのぼっただけなのです。

 それにこの数には兄弟の数は入っていません。

 そうしてみると決して少ない数だとはいえないと思います。

 ちなみに、江戸時代から萩を治めていた毛利家は現在まで約20代にわたるそうです。

 20代ともなると104万8576人ものご先祖様がいらっしゃったことになります。

 現在の萩市の人口が約5万人ですから、どんなに大勢のご先祖様がいらっしゃったかが理解していただけると思います。

 しかし、これだけ多くのご先祖様がいらっしゃっても、その中のたった一人が欠けてしまったらどうなるでしょうか。

 そうです、今ここにいるあなたが存在しなくなるのです。

 こうして考えてみると、あなたの身体の細胞ひとつひとつがご先祖様であるといえると思います。

 つまりあなた自身がご先祖様であり、ご先祖様を大切にするのと同じように自分も大切にしなければなりません。

 そして周りの人々もすべて同じことが言えます。

 「自分さえ良ければ」ではなく、ご先祖様や周りのすべての人々に日々感謝の気持ちを持って、お互い生活していきたいものですね。

音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。