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          一年ぶりの再会

曹洞宗・玉泉寺・末益俊二


 四月に入り、ようやくストーブなしの生活が始まりました。

 そろそろ夏のキャンプに向けて準備が始まります。

 私たちが毎年実施しているキャンプは、障害を持つ子供と持たない子供の交流を目的とするもので、今年で22回目になります。

 このキャンプのテーマは、「完全参加と平等」です。この地球に同じように生を受けながら傷害があるというだけで、一般社会人とは別の特別の人間のように見られ、社会の邪魔者のように扱われた過去の歴史に対する痛烈な批判と反省から考えられた重要なテーマです。「完全参加と平等」は、障害者が何パーセントかいるのが通常の社会であることを私たちに思い起こさせると共に、障害者が傷害のない人と同じように生活しいていける社会を作ることの必要性を問いかけていると言えます。

 このことは、多発する交通事故や今後急速に進む高齢化社会をまのあたりにした時、他人事でなく、私たち一人一人が自分の問題として真剣に受け止めなければなりません。障害のある人もない人も、お年寄りも子供も、誰もが住みよい社会にすること、「やさしさ」や「思いやり」に満ちた社会にすることが今後ますます重要になってきます。

 同時にまた、私たちの住んでいる地球のことも考えなければなりません。多くの動植物を犠牲、自然環境を破壊して成り立っている人間社会がこのまま反映を続けていけるとは思えません。

 私たちは、障害問題を考える中で、私たちをとりまく自然や環境、多くの障害者を作る戦争、経済性や効率性を重んじる経済大国日本の中で、多くの孤児や精神的荒廃等にも関心をもって、この人間社会を見つめていきたいと思います。
 

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