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      菊ヶ浜地蔵尊

曹洞宗・海潮寺・木村延崇


 コロナ禍二度目の夏がやってまいりました。

 菊ヶ浜の海水浴場は昨年に引き続き海開きとなり、家族連れ・観光客が訪れております。

 この海水浴場の西側、ホテル千春楽の裏付近の松林に、お地蔵さまがまつられています。

 台座を含め2メートルほど石像に、雨をしのぐ堂宇も誂えられ、「菊ヶ浜水難地蔵尊」との額が掲げられています。

 この海で命を落とされた方をご供養するために、昭和32年に奉納されたといいます。

 以来、お世話されている地元地区のご依頼により、毎年7月24日には、当山が尊前で水難物故者の慰霊法要を執り行い、あわせて水難防止もお祈りさせていただいております。

 この法要を迎える頃には、すでに海水浴客の賑やかな声が砂浜に心地よく響いており、お地蔵さまはその様子をにこやかに眺められているようにも感じられます。

 世話人に方にお伺いしますと、堂宇の支柱は経年による傷みがみられたために、今年は柱土台や止め金具を新調されたそうです。

 次世代に引き継がれるまでの間、お地蔵さまには安心して菊ヶ浜をお見守りいただけるのではないでしょうか。

 とりわけこどもたちの水難事故を防ぐためには、本人や親御様の注意は欠かせません。

 さらにその上で、お身内をなくされたご家族のお気持ちや、地元住民の安全への切なる願いにも思いを到らせつつ、海水浴に興じていただきたいと念じております。