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                                      (浄土真宗・満行寺・坪井隆範)


仏事に参って人はまずお仏壇の前に進んで合掌礼拝します。そこまではよいのですが、無造作に撥をとり、鈴をチンチンと打ってからお念仏を称える人がいます。

ひとりがそうされますと右えならえでみんながその作法にしたがって、仏前は騒然となりかねません。

本来、カネを打つというのは、釈尊がご在の頃から釈尊の説法を聞くときの合図だったといわれています。現在、在家の鳴り物は鈴だけですが、お寺ではおつとめの作法に用いる以外に、梵鐘と喚鐘があり、また太鼓・木版・雲版のあるお寺もあって、いずれも行事の合図に用いられています。

ですから、鈴は読経の前後や中間に定められた作法で鳴らす仏具でありますから、おつとめの時以外はむやみに打ち鳴らしてはならないものです。

そのように注意するとなかには、「だって鈴をたたかないと、お念仏が仏さまやご先祖に届かないというではないですか」と、とんでもないことを言われる方がおられますが、私たちがいただいているお念仏は、私のために休むことなく働きつづけ、信心をいただかせてくださった如来さまへの報恩感謝のお念仏であります。

ですから如来さまやご先祖にお届けしようというのは間違いであります。また、鈴を打たなければ如来さまが、そっぽを向いておられるのではという心配はいりません。

朝夕のおつとめは、如来さまのお徳を讃嘆して、報恩感謝のおつとめでありますから、仏前で鈴を打つときは、家族の方が顔をそろえて朝夕のおつとめをさせていただくときに定められたところで打ちましょう。

ですから、鈴はむやみに打たずにおつとめをされるときに打つように心がけましょう。


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