トップ > ネット法話

このページは音声読み上げページです。下の[開始]ボタン（右矢印）を押すと、テキストの読み上げを開始します。[開始]ボタン（右矢印）が出ていない場合はここをクリックしてください。

          大悲の喚び声　お念仏

（浄土真宗・明光寺・栄　嶺司）

　人間は、生まれてくるのも独り、死んでゆくのも独りです。

　そこに寄り添って人生をともに歩んでくださるのが、阿弥陀如来さまです。

　阿弥陀如来さまは、いつでもどこでもどんな時でも名前を呼ぶものを必ず救うと説かれた仏さまです。

　このお救いとは、どんなものでしょうか？

　お金が儲かったり、病気が、治るというお救いでは、ありません。

　心のお救いです。

　苦しむ人間をみこして仕上げられたのが、お念仏です。

　こんなわたくしにも阿弥陀如来さまのお救いの手立てが届いていたんだなと気づかせていただく世界が他力の信心です。

　浄土真宗で一番大切なことは、往生浄土つまり極楽浄土に往生してゆくことが、大切なのです。

　往生とは、生まれ往くと書きます。

　どこに生まれ往くかと申しますと極楽浄土、つまりお浄土に生まれさせていただくと言うことです。

　それでは、どうすればお浄土に生まれさせていただくかと申しますとまずは、ナンマンダブと称えていただきたいのです。

　そうすると次第に自然とナンマンダブと申せる自分に育っていきます。

　辛いときも悲しい時も寂しい時も阿弥陀如来さまが、このわたくしに

「いつも一緒のきもちだよ。安心して進みなさい。」

と私を喚び続けて下さいます。

　すべてのいのちを底なしに受け止める大悲の喚び声が、お念仏です。

　だからこそ、罪深き自らのいのちに向きあえる、真実の道が開かれるのです。

　他力の信心をいただいた時、疑いのない心になるのです。

　わたくしたちは、阿弥陀如来さまのお救いに遇ったなら、その後のお念仏は、ありがとうのお念仏になるのです。

　人生は、いつ何がおこるかわかりません。

　常日頃からお念仏のみ教えを聞き開いて、どんな困難にも向かい合いお浄土に参らせていただく身の幸せを喜び日々精進していくことが大切です。

　どうにも救われないわたくしたちを、見越してお浄土をすでにご準備くださっているのです。

音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。