トップ > ネット法話

このページは音声読み上げページです。下の[開始]ボタン(右矢印)を押すと、テキストの読み上げを開始します。[開始]ボタン(右矢印)が出ていない場合はここをクリックしてください。

    縁日

曹洞宗・海潮寺・木村延崇


 毎月二十四日はお地蔵さまの縁日。

 縁日とは私たちが神仏にご縁を結ぶ「結縁日」のこと。

 寺社では法会・祭礼をおこない、この日に参詣すれば通常日に倍する大きな功徳があるといわれてきました。

 そこで海潮寺でも毎月二十四日には有志檀信徒が集まり読経やご祈祷をいたします。

 さらに四月と八月には近隣のご寺院さまにも大勢お出ましいただき、ご先祖供養の「お施餓鬼」法要をいたしております。

 もともと縁日参詣は特別な功徳があるという信仰でしたが、人が集えば次第に市が立つようになり、門前市や余興に重点が置かれ、一般民衆にとっては重要な娯楽・慰安の場へと展開していきました。

 お年を召された方々によれば、娯楽もまだまだ限られていた戦前から戦後の間もないころは、当山の八月二十四日お地蔵さま縁日には夜見世を出す香具師が駆けつけ、数多の露天商が門前に立ち並び、夜通し大変な賑わいだったそうです。

 幼い子供にとって暗やみは恐怖の対象ですが、この日ばかりは暖かな明かりの提灯や、大人たちの喧噪に子供心がくすぐられ、今なお語り継がれるほどの特別な思い出となったことがうかがい知られます。