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東日本大震災によせて

浄土真宗・端 坊・榮 中


 2007年の11月に二十数年ぶりに始まった端坊の担当では,4回にわたって私が浄土真宗の教えを味わうことができた経緯を続き物としてお話ししてきました。

 今回その最終回をお話しするつもりで用意しておりましたが,3月11日の大震災を受けてのお話しに変更させて頂きます。

 東日本大震災で被災された方々に衷心よりお見舞い申し上げます。

 そして,復興に向けてご尽力されている皆様方に敬意を表すとともに出来る限りの支援をお約束するところでございます。

 私は,今回の大災害の報に接して,自然のエネルギーの大きさと原子力の驚異を改めて認識した次第です。

 それと同時に,自分の力の小ささを深く受け止めさせて頂いて,だからこそ南無阿弥陀仏が用意してあったことをありがたく味わわせて頂きました。

 昔は大災害が起こると神の祟りであったり,例えば地震ですと地下のナマズが騒いだとかいわれてきました。

 現在では,地震や雷のメカニズムがわかってきて,天罰などというとらえ方はほとんどなくなってまいりましたが,それでもなお地震の予知や,どの程度の備えが必要なのかは人の知恵を超えたところにあります。

 原子力の暴走をどう収めるのか,まだまだ余談を許さないところにあります。

 南無阿弥陀仏を文字通り訳しますと,「阿弥陀仏におまかせいたします」となります。

 まかせるのは私ですが,力の小さな私をめがけて用意してあった南無阿弥陀仏は「任せなさい」という阿弥陀様からの喚び声でございます。

 この人間の世界に厳然とある人間の知恵の及ばない領域のことにつきましては阿弥陀様にお任せして,いただいた命を力の限り強く明るく生き抜いて欲しいと願われているわけでございます。

 皆様と,今できることをやり抜きたいと願うばかりです。




音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。