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          不可思議

(臨済宗・徳隣寺・阿部浩岳


 ここ暫くテレビでは、記録的な大雪について連日報道がなされています。

 雪に閉じこめられている地域の状況を観て、その近辺にお住まいのお檀家の方にお見舞いの電話をしましたところ、平年は5センチも積もれば雪が降ったという所が、今回は1メートル積もってしまったと溜息混じりにおっしゃいました。

 生鮮野菜を筆頭に、食料を運ぶ車や日用品を運ぶ車が連日立ち往生しており、多くの方が不便な生活を強いられている状況を目の当たりにしますと、ここ半世紀では考えられなかった何か大きな変化が起きつつあると感じました。

 一日も早い復興をお祈りするばかりです。

 さて、本日は近頃私が、先程申し上げております「何か大きな変化」と幾分関連がありそうだと感じたことにつきまして、お話しさせて頂きます。

 お寺には、様々な方がお越し下さいます。

 殆どがよく存じ上げているお檀家の方ですが、時々、不思議なご縁で初めて訪ねておいでになる方がおられます。

 詳細については、各々個人的な事情に関することですのでお伝えすることがかなわず大変恐縮なんですが、数時間にもわたってお話を聞かせて頂きますと、本当に不可思議としか言いようのないお話に展開していくことがあります。

 例えば、数年前に、人から教えて頂いていたことを携帯電話にメモしておいた−殆ど私自身そんなことがあったことすら忘れてしまっている−ことが、突然想い出されて、見事にその方がお出でになった経緯の背景が明らかになるようなことです。

 そうした後で、懇ろにお経を読ませて頂くと、その事案毎にかかる時間に違いはあっても、事態は徐々に落ち着いて参ります。

 大きな見えない何かに導かれるが如く、としか他に表現のしようがありません。

 「天の時、地の利、人の輪」がピタリと揃って初めて実現することだと思われます。

 この話をお聞きになった方の中にも、科学が発展した現代にそんな非合理的なことが・・・と感想をお持ちの方がおられるかも知れません。

 しかし、いくら科学が発展した時代といえども、まだまだ解明されていない分野も残っていると思われます。

 あらゆる事が解明されているとお考えになるならば、そのこと自体、非合理的なことではないでしょうか?




音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。