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おもてなし

浄土真宗・永照寺・松岡 洋之


 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の影響で多くの方々が萩の街に観光に来られます。

 そのためでしょうか?

 以前、流行語大賞にもなった「おもてなし」という言葉を頻繁に耳にする様になりました。

 「おもてなし」とは相手に対して心のこもった活動をしていくことでしょうから相手の気持ちに寄り添って行われなければなりません。

 仏さまのお心をあらわす言葉のひとつに「慈悲」という言葉があります。

 「慈悲」の心とは、相手の喜びを私の喜びと感じ、相手の幸せを心から願うことです。

 また、相手の悲しみを私の悲しみとし、相手の苦しみを取り除いてあげたいとはたらく心。

 人の痛みに寄り添って私ごとと共感する心です。

 私と相手との間にある様々な隔たりを超えて、生きとし生けるすべてのものの「いのち」と私の「いのち」とが響きあう心を「慈悲」とあらわされています。

 それに対して、私たちはというと、いつも自己中心的に物事を考えてしまいます。

 自分に都合の良いものばかりを求め、都合の悪いものには怒っている毎日です。

 そのような私たちが相手の気持ちに寄り添うというのはなかなか難しいことです。

 仏さまの「慈悲」の心を聞かせていただき、相手に寄り添えない自分の姿に気づかされて悲しむことも、恥ずかしく思うことも大事なことです。

 同時に、そのような私たちが自分の辛さや悲しみを通して、相手の痛みに共感できるような人間になるように努めていくことも大切です。

 何から何まで、仏さまに寄り添われている私であります。




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