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少欲知足

浄土真宗・永照寺・松岡 洋之


 ラーメンだったら餃子にチャーハン。

 うどんだったら親子丼と一緒に。

 カツカレーは大盛りで。

 私のお昼ごはんの話しです。

 お腹が空いていることも手伝って、食べ始めは勢いよく「美味しい、美味しい。」と食べていたはずなのに…。

 食べ終わる頃にはお腹一杯、はち切れんばかり。

 あきらかに欲張り過ぎです。

 適量なら「美味しい」はずが、食べ過ぎると「苦しい」に変わります。

 お釈迦様は『仏説無量寿経』というお経の中で「少欲知足」と説かれています。

「欲が少なく、足りていることを知る」というお示しです。

「少欲」とは決して欲望を無くすということではありません。

 沸き起こってくる欲望を、仕様がないと諦め、そのまま放置しないこと。

 「知足」とは、込み上げてくるその思いを抑え、こころを穏やかに整えることの大切さを私に教えてくださいます。

 足りないよりかは余る方がよい。

 先に無くなってしまったら困るから、予備として購入しておこうなど。

 あらゆる場面で必要以上に求めてしまう私が、仏さまのみ教えに触れて「有り難いなぁ、勿体ないなぁ」とたしなむ心を恵まれ、慎む身へと育てられていきます。

 少し立ち止まり、自分の姿を省みて、自制する心や律する力(はたらき)を忘れないようにしたいものです。